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道しるべ〜第2しもざと通信〜

「しっかり動いて美味しいものを食べる、もっと元気な生活」

 透析も落ち着いてきますとかなり栄養価の高いもの、たんぱく質、炭水化物、糖質などしっかりとるように私は指導します。
 多くの方はこれに納得され実践されますが、糖尿病から腎不全になって透析に入られる方は「?」という表情をされます。なぜなら、糖尿病発症から当院に紹介されるまでの間、糖分を控えたかなり厳しい低カロリー食の指導を長年にわたって受けてこられた為です。この糖尿病食の基本は腎不全になっても不変なことだと思い込んでおられます。ところが、この考え方には、大きなワナが潜んでいるのです。透析に入られてから、この低カロリー食を続けると確実に貧血は進み全身の筋肉量の低下(体重減少)を招くというワナです。私は、糖尿病の患者さんにはそれまでの発想を逆転してもらい、毎日十分なカロリーと栄養(肉、魚)をとって頂くようにアドバイスしたいのです もしそのことで血糖が上がるならば、インスリンの量を増やしたり、血糖降下剤の内服を工夫させて頂くことになります。
 基礎体重(ドライウエイト)が一年間あまり変化のない患者さんがおられますが、その方々は栄養管理がしっかりと出来ているのです。一方基礎体重を少しずつ下げていかなければならない方は、日々の栄養不足によって全身の筋肉量が落ち、痩せてこられた結果なのです。糖尿病の方や、高齢の方は、特にこれらのことを十分意識して実践していないと、どんどん痩せられて基礎体重も落とさざるを得なくなります。
 私はさらに、散歩(60分程度)と運動・スポーツ(筋トレ・リハビリ)を取り入れ、筋肉量の低下を予防することを推奨します。
 自分の筋肉を日頃からて意識して鍛えておかないと、筋肉は確実に衰えるのです。ひいては、歩行が困難になったり、いわゆる寝たきりになってしまうのが早まるのです。これは、ご家族の援助が必要であったり、お金もかかる(スポーツクラブ)ことになりますが、全国の透析患者さんの状況を目の当たりにすると声を大にして言わざるを得ません。
 水分摂取、高カリウム食品や高リン食品への注意を払いながらのカロリーの補充や栄養摂取はなかなか困難かもしれませんが、少しずつ食品を吟味(「食品成分表(市販)」を日常的に活用)する能力を身に着けていただき、かつ散歩、スポーツの取り入れ(スポーツクラブでプール歩行など)を習慣的に行い全身の筋肉量の減少を少しでも防ぐよう心掛けていただきたいのです。

栄養状況の「良好さ」を皆さんの定期採血の結果からおおよそ判断できます。栄養状況の「良好さ」を皆さんの定期採血の結果から

  1. 総たんぱく:6.0以上あること
  2. ヘマトクリット:30.0以上あること
  3. 尿素窒素(透析前):男性 80〜100程度                         女性 70〜90程度                       (但し、体重の少ない方高齢者はもう少し低い)                         

参考にしてください。

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道しるべ〜第2しもざと通信〜

「週3回の透析は誰が決める?」

 現在、ほとんどの患者さんは透析を週3回行っています。まれに、週2回の患者さんもおられますが、一日尿量が1000ml以下となりますと、週3回の透析ということになります。
 では、いったい週3回透析というのは誰が決めるのでしょうか?その根拠はなんでしょうか?
 その前に、本来の腎臓の働きをもう一度確認してみましょう。
簡単に言うと、

  1. 体内の余分な水分を排出する(肺水腫、むくみの予防)
  2. 食事からとった栄養分以外の老廃物を排出する(尿毒症の予防)
  3. 血液を中性に保つこと(酸性化の予防)
  4. 造血ホルモン(エリスロポエチン)を分泌すること(貧血の予防)
  5. カルシウム、リンをコントロールする
  6. 血圧を調整する

などがあります。しかもこの腎臓は24時間はたらきづめに仕事をしています。
 皆さんは腎臓のこれらの機能が1/10以下となったことで透析を行っているのですが、本来の腎臓の代行をするならば当然、毎日24時間透析をし続けなければなりません。医学的に言ったらこれが正論です。しかし、皆さんにはそれぞれの日常生活、仕事などがあります。24時間、クリニックの生活は不可能です。
 まさに医学上の正論と患者さんの希望される生活スタイルと折衷案で週3回の集中的な透析になっているのです。
 透析は患者さんにとって予防的に行っているのではなく、毎日の飲水、食事摂取による水分、カリウム、リン、老廃物の貯留を受けて透析を行っていることをもう一度ご認識下さい。
 しかも、現在のところ、医学上の最先端といえども残念ながら患者さんの生命の基本を最低限、行っているに過ぎないという事実を避けて通れません。透析は尿毒症の軽減は出来ても腎不全であることに、変わりはありません。正常な腎臓と透析のギャップは、患者さんの努力やいろんな薬の投与で補う必要があります。
 第2しもざとクリニックは医療保険の範囲内で、可能な限り良い透析条件で(ダイアライザーの選択、抗凝固剤の選択)、国内で性能が最も良い透析機を使用して、専門医による合併症の管理のもとで、安全かつ効率を考えた透析を行っていると自負しています。 
 あとは、患者さんの日頃の水分、食事の質(カリウム、リン、栄養)などの自己管理がどのようになされているかが大切です。透析の主体は患者さんなのです。つづく

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道しるべ~第2しもざと通信

 日本の透析医療のレベルは世界のトップにあると言われ、患者さんの生命予後も20年、30年以上期待できる時代になりました。

 しかし、糖尿病や高齢の患者さんのように、透析に入られた頃にはすでに多くの厳しい合併症があったり、日常生活や透析そのものの困難を体験しておられる方が多いのも現状です。

 私は内科・腎臓・透析専門医として30年間、多くの患者さんと出会って、日頃思うこと、アドバイスしたいことがたくさんあります。

 これから少しずつ「テーマ」毎に発信していきたいと考えていますので宜しくお願いします。

 

 

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24時間尿検査でわかること~蓄尿でわかるのは尿量だけではありません~採血データと合わせて測定します・・・その4

尿中FDPを測定します μg/ml
腎糸球体での血栓の形成を推定。活動性腎炎では高くなります。
尿中β2ミクログロブリンを測定します μg/l
高いと尿細管障害が推定されます。
りんの再吸収率を測定します
低いと尿細管障害が推定されます

糖尿病性腎症や、くり返しの尿路感染症(腎盂炎)などは、尿細管腎機能障害が進行し、さらに腎機能を増悪させます。

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24時間尿検査でわかること~蓄尿でわかるのは、尿量でけではありません・・・採血データと合わせて測定します・・・その3

尿たんぱく排泄量を測定します     g/日

  3.5g/日以上     大量のたんぱく尿です。ネフローゼが疑われます。   
  1.0g/日以上     活動性腎炎が疑われます。
  0.5g/日以上
  
    中等度のたんぱく尿です。腎炎が疑われます。
  0.2g/日以上     軽いたんぱく尿です。
    腎炎の可能性があります。
  0.1g/日以下     多くは運動性たんぱく尿です。 
    (正常範囲)。早朝尿ではたんぱく陰性となることが特徴です。

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~24時間尿検査でわかること~蓄尿でわかるのは、尿量だけではありません・・・ 採血データと合わせて測定します・・・その2

前日のたんぱく質摂取量 算定します g/日
前日の食塩摂取量 g/日
前日のカリウム摂取量 mg/日

 食事療法の目安にしましょう。

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〜24時間尿検査でわかること〜   蓄尿でわかるのは、尿量だけではありません・・・その1

腎機能はどれくらいか推定します ml/分
体内エネルギーとして使われたたんぱく質の老廃物の1つである「クレアチニン」という物質の腎の糸球体から尿にこし出される排泄力をクレアチニン・クリアランス法という検査で測定し腎機能を評価します。

クレアチニン・クリアランス法による腎機能の評価

90〜120ml/分     正常
60〜80 腎予備力の低下状態
40〜60 腎不全になる恐れのある状態
20〜40 腎不全の状態
10〜20 尿毒症の状態
10以下 透析を必要とする状態

 腎機能が60%以下に低下した状態が3ケ月以上続く病態を慢性腎臓病と呼びます。将来、透析をしなくてもよいように早期より十分な対策をとる必要があります。

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尿に潜血が出ていると言われたら・・・

 潜血反応が陽性

なぜ血尿が出るの?(血尿=尿中に血液が認められること)

*運動の後

*生理前・中・後

*腎疾患(糸球体腎炎)や膀胱炎の場合

*尿路系の結石や腫瘍の場合

 などが、考えられます。

一度だけの検尿で尿潜血が陽性だからといって、病気とは断定できません。

心配ないものもありますので、日を改めて検査してみましょう。Image009Image006

 持続する場合は、CT、エコー等の画像診断(腎・尿路・       

膀胱)や安静時(早朝尿)尿、「24時間尿」で精査します。

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慢性腎臓病

 わが国には、透析を受けている方が、26万人います(平成18年末)。その予備軍が1500~2000万人いると予測されます(慢性腎臓病)。この慢性腎臓病のある方は、そうでない方に比べて、心筋梗塞や狭心症といった病気にかかりやすく、死亡率も高く、また、いろんな病気で入院する危険性も高いことが明らかにされています。特に高血圧や糖尿病のある方、高齢の方は、腎臓病に気をつけて下さい。タンパク尿のある方、血尿のある方、血液の尿素窒素やクレアチニン値に異常のある方には、腎臓専門医での検査と診断を受けること(例えば24時間尿の精査など)をお勧めします。
 腎臓専門医は、たとえ、腎臓に異常があっても透析をしなくてよいようにすること、透析が将来必要になるかも知れない方に対し、透析をしなくてもよい期間を長くすること、やむを得ず透析が必要となった方に対し、合併症を予防、・治療し快適な生活が送れるようにすることを役割としています。

                                第2しもざとクリニック

                              腎臓内科専門医・透析専門医
                               院長 下郷 泉
                               TEL (052)895-7111

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尿たんぱくが出ていると言われたら・・・

 尿たんぱくが陽性
  
なぜたんぱく尿が出るの?
 
 *運動の後
 *生理前後
 *発熱・脱水(感冒、上気道炎)
 *腎臓や膀胱などの尿路系の異常(糸球体腎炎や膀胱炎、腎盂炎)
 
  などが、考えられます。
  

 一度だけの検尿で尿たんぱくが陽性だからといって、病気とは断定できません。
  
 心配なものもありますので、日を改めて検査してみましょう。

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安静時(早期尿)尿のチェックや、持続する場合は「24時間尿」で精査します。

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慢性腎臓病

腎臓病を早期に発見し最善の治療を受けましょう!

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