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尿酸のコントロール、~糖尿病・透析の血糖コントロールの実際~

<尿酸のコントロールについて>

ポイント

① 一般的に UA≧7.0    高尿酸血症という

② 持続すると痛風発作・尿路結石の誘因に。

③ HD者   尿酸の尿への排泄低下によるもの。   高値となることはやむを得ない!

④ 薬の投与(例 アロシトール=合成阻害剤)     一般的にUA≧9.0(目安)      

(副作用出やすい為(発疹、肝障害)

HD者には薬物投与は積極的ではない!

⑤ 痛風の経験者であれば    UA≧10.0メドで投薬する方針

⑥ 他の薬剤の投与が多いこと    優先順位は少し低いので

UA8~10のレベルでは      他の薬の量による。

少なければ投与へ

~糖尿病・透析の血糖コントロールの実際~

 

ポイント

① すでに透析期に到ってきているから、厳格なBScontrolの時期ではないこと。

② 透析期ということは、既に合併症(神経、眼、動脈硬化)が進行しており、厳格なBScontrolが上記症状改善するという実証は無い。

    腎不全であり、必要とされるインスリン量は減り、見かけ上血糖はよくなることが多い

インスリンOFFも可能

    低血糖は高血糖よりも危険である(眼科も低血糖発作の方を恐がっている!)

(非インスリン)   (インスリン使用)

     随時BS     70200       150250

HbA1c      6.5以下       7.5メド

    透析液ブドウ糖濃度= 100/㎗  に設定。

    インスリンは透析されない!

    透析後にインスリン作用が前面に出る    低血糖起こし易い

    高齢者・自律神経機能障害(+)により、低血糖の自覚 伴いにくい!

    インスリン : HD日は非HD日より少なくする。

    いわゆるDM専門医    HD者のBScontrolは困難!

  <透析患者さんは、全ての疾患で『別世界』であることを前提とすること。>

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院長 

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腎臓の機能障害の原因

~腎臓の機能障害の原因~

腎機能に影響するもの

 Ⓐ 糸球体機能 ・・・ 糸球体腎炎・糸球体硬化(動脈硬化)

Ⓑ 尿細管機能 ・・・   薬剤(抗癌剤、鎮痛剤)

放射線療法

脱水

高尿酸血症

尿路感染症(腎盂炎、膀胱炎のくり返しなど)

Ⓒ 血行、走行異常(腎、動、静脈系)(尿路、膀胱系)

 CTで確認を。(腎、尿路系)

 

 急性進行性腎炎症候群 ・・・・ 腎生検で組織診断を。

 慢性糸球体腎炎症候群(IgA腎症・膜性腎症など)の増悪。

 ネフローゼ症候群(膜性増殖性腎炎など)の増悪 ・・・ 腎生検で組織診断を。

 ループス腎炎(全身性エリテマトーデスの腎病変)の増悪。

 糖尿病性腎症の増悪。

 その他(痛風腎、妊娠中毒腎、腎静脈血栓症、肝腎症候群など)

  

   慢性糸球体腎炎を発症したら、完治させることは非常に困難です。

   適切な治療を続けることによって、腎機能を維持し、腎不全へ移行するのを

   くいとめることは可能です。

 

 普段の生活の注意(過労、喫煙、脱水、上気道炎を避ける)

 食事の注意  減塩食(8g/日以内)

         低蛋白食(80g/日以内)

         高カリウム食品を避ける         で腎臓の負担を

         高脂肪食を避ける(動脈硬化の予防)      を減らします。

 

 薬物療法:   病気の種類や進行度に応じてさまざまな治療を行います。

慢性の腎臓病では治療の中心となります。

 

抗血小板剤(コメリアン、パナルジンなど)

ステロイド剤(プレドニン、メドロールなど)

免疫抑制剤(シクロスポリン、プレディニンなど)

降圧剤(ブロプレス、エースコール、アムロジンなど)

利尿剤(ラシックス、ダイアートなど)

抗高脂血症剤(プラビックス、メバロチンなど)

 

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~副甲状腺機能亢進症を有する患者さんへ~

「副甲状腺機能亢進症」を有する患者さんへ

リンとカルシウムは骨の主成分です。ところが透析患者さんでは、血中の

リンは上昇し、カルシウムは逆に低下します。この状態が長く続くと、骨がもろくなって骨の痛みや骨折を起こし易くなったり、心機能の低下にもつながります。これを腎性骨症といいます。

この腎性骨症の一つとして重要な病気に、副甲状腺機能亢進症があります。リンとカルシウムのバランス異常が長く続くと、副甲状腺の働きが強くなって、副甲状線ホルモン(PTH)が異常に高くなります。この病気に対して、従来より活性型ビタミンD(アルファロール、ワークミン)を服用したり、高リン食品を制限したりしてきましたが、実際はなかなかコントロールが

困難でした。平成12年より、上記に対応して新しい薬剤の適応が日本で認められました。それが「オキサロール」です。この薬剤を、透析ごとに静注することによって、過度の副甲状腺ホルモン(PTH)の働きを弱めていきます。

また、最近になり、新しい薬「レグパラ錠」が登場しました。この薬の適応は、オキサロール(静注)を使用してもなかなか高PTH血症が抑制しにくい場合です。副作用に低カルシウム血症がありますので、注意しながら投与します。

それでも薬剤の限界がありますので、高リン食品の制限は引き続き必要なことはいうまでもありません。

2しもざとクリニック 

                      長  下 郷  

                      

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あなたの腎臓を守るチェックポイント

~慢性腎不全の増悪因子と合併症~

     

あなたの腎臓を守るチェックポイント 25

                  

                         

傾向と対策(キーワード)

□ 1.脱水(発汗、下痢、嘔吐、利尿剤の過剰)⇒急性尿細管壊死に  :尿量の維持、水分補給、補液、BUN/Crの上昇(10)

□ 2.感染症(風邪は万病の元!上気道炎、肺炎、尿路感染、肝炎)⇒ 脱水、尿細管障害に :早期治療、抗生剤、扁桃腺摘出(活動性腎炎)、補液

□ 3.高血圧(まずは14090以下に)⇒腎硬化症、動脈硬化     :減塩(8g/日以下)、禁煙、降圧剤の工夫、利尿剤で浮腫の軽減

ACE阻害剤、ARBCa拮抗剤+α)

□ 4.高尿酸血症(尿酸7.0以内に)⇒ 痛風腎、尿細管の目づまり(尿細管障害) :高プリン体食品の制限、合成阻害剤、排泄促進剤

                    ネフローゼの再燃             痛風発作(足指の発赤、腫脹、激痛)、妊娠中毒腎の指標

□ 5.高血糖HbA1c6.5に)⇒ 糸球体硬化   :炭水化物・糖質の制限、インスリン、血糖降下剤 ※低血糖にも注意   肥満の解消

        食後血糖<180にコントロール                             

□ 6.高コレステロール血症HDL50目標)⇒糸球体硬化、動脈硬化   :脂肪の制限、運動(散歩、筋トレ)、クレストール、メバロチン、リピトール(内服)

   

□ 7.高窒素血症BUN40となったら要注意)⇒タンパク異化亢進    :タンパク質の制限、クレメジン(活性炭)の内服で便中排泄促す

                                        BUN/Cr>10           (腎機能に見合う摂取量) 0.60.8g/kg/日 消化管出血の可能性

□ 8.高カリウム血症K6.0となったら要注意)⇒足の脱力、除脈に :    緊急透析!   高カリウム食品の制限、カリウム吸着剤の内服

                          心臓麻痺の恐れ             消化管出血によるタンパク異化亢進が隠れていることも。

□ 9.うっ血性心不全・肺水腫(水の大量貯留)⇒息苦しさ、易疲労、起坐呼吸に:   緊急透析!    利尿、βブロッカー(ア-チスト、メインテートなど)

                                        低酸素血症、肺うっ血、胸水         胸X-P、血ガス、BNPh-ANPで確認

□10.貧血(腎性、鉄欠乏性、出血性)⇒易疲労、息切れ、易感染性    :エリスロポエチン、鉄剤の補充、輸血、出血源の確認と対処

□11.代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾く)(CCr40となると発症)⇒易疲労感 :重曹の内服、メイロンの静注、血液ガスで確認

             

□12.低カルシウム・高リン血症(副甲状腺機能亢進症)⇒手足のつり、かゆみ、易骨折     :ビタミンD剤、リン吸着剤、レグパラ(偽カルシウム剤)

                (腎不全早期より発症) 骨粗鬆症、骨軟化症、心筋障害   高リン食品の制限、PTH(副甲状腺ホルモン)を指標に

□13.腎静脈血栓症(腎障害早期より発症)⇒糸球体の血流悪化    :抗血小板剤(コメリアン、パナルジン)で血流改善を

                                     尿FDPの上昇(24時間尿)

□14.消化器の異常(胃酸の分泌亢進、消化能力の低下)⇒食欲低下、味覚障害(亜鉛欠乏)、出血 :便潜血チェック、胃検査、胃薬(ガスモチン、ガスター、オメプラール)

          (尿毒症と関連)          (尿毒症と関連)                 食道炎、胃炎、胃十二指腸潰瘍、悪性腫瘍

□15.低タンパク血症・低栄養(尿毒症と関連)⇒体重の減少、貧血の亢進、易感染性、浮腫 :栄養点滴(アミノ酸)(脂肪乳剤)、電解質の補正、ビタミン剤

                        

□16.出血・凝固系の乱れ(尿毒症と関連)⇒鼻出血、口腔内出血、皮膚の紫斑、消化管出血 :カテーフN内服(ビタミンK)、トロンボテストで確認

                         

□17.元気がなくなる・不眠(活動性低下、根気がなくなる、かゆみ) :安定剤、眠剤の工夫、カウンセリング、精神科医コンサルタント(うつ、不眠)

                          (不眠、アシドーシスと関連)

□18.皮膚のかゆみ(皮膚の乾燥、汗腺の萎縮化、角化)(尿毒症と関連) :保湿剤、かゆみ止め内服、感染予防、ステロイド軟こうでスキンケアを

                  

□19.便秘(消化能力の低下、カリウム制限食の結果)と下痢   :食物繊維の摂取(Kに注意)、運動、下剤の工夫、腸閉塞に注意

糖尿病の自律神経失調症(消化管)、胃アトニー(嘔吐、腹満)

□20.大血管の病気(脳・心・頚動脈・動脈瘤(脳、大動脈))   :脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、高血圧、動脈硬化への対処

血圧のコントロール、塩分・水分の管理 脳CTMRI、心カテーテル、冠CT

□21.閉塞性動脈硬化症 ⇒間欠性跛行・・・歩くと下肢痛      :血糖早期よりコントロール、血流改善(内服、血行再建術)、パルクス()

    (末梢血管の病気) 足の冷感、潰瘍形成                 血管造影、血管エコー検査  ABIの低下(<0.9

□22.不整脈  期外収縮(心房性、心室性)   浮腫⇒心負担(心拡大)(体液過剰)→不整脈が誘発される(頻脈性、徐脈性)

         房室ブロック(心筋伝導障害)  動脈硬化⇒心不全(心筋収縮力の低下)(拡張障害)、心筋症

         上室性頻拍、心房細動      弁膜症の合併 カルシウム、カリウムの変動が原因も、心エコー検査

狭心症:貧血も関与、冠血管造影、冠CT、ホルターECGで精査⇒PCI

□23.眼の病気 ⇒高血圧→眼底出血←動脈硬化    :早期より眼科医によるチェック 眼底、硝子体出血の予防、光凝固療法

 

高血糖→網膜症←尿毒症性                                  眼底造影  低血糖も増悪因子

□24. 薬剤(造影剤、鎮痛剤、漢方など)→間質性腎障害 尿細管壊死(腎毒性) :非乏尿性急性腎不全の経過 尿B2マイクログロブリン、NAG(タンパク)、の増加

                                     薬剤の中止と補液(洗い出し)

25.過労・疲労→高血圧、浮腫、腎血流の低下、易感染性、体力の低下 :腎機能に見合う運動・仕事量の選択、翌日まで疲れを残さない方法

 第2しもざとクリニック  院長 下郷 泉(腎臓内科専門医)

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便潜血反応について

~便潜血反応について~

 2回(日をずらした便)の潜血反応(ヒトの血液のみに反応)で判定します。

 そのうち1回でも陽性を示せば全消化管(口腔~食道~胃~十二指腸~小腸~大腸~肛門)のうち、いずれかの部位からの出血(1mL以上)を意味します。

 口腔内の出血(抜歯後、虫歯、ケガなど)や痔(外痔・内痔核)があれば陽性になりますので、事前に連絡して下さい。

 一回でも陽性であれば消化器内科を受診され胃・大腸の内視鏡や造影の検査を必要とします。

 内視鏡が苦手な方には、CTによる「胃・大腸スクリーニング」法(ほとんど苦痛のない)が最近開発されており、御相談下さい。

 大腸の場合、便が通過時にこすられたポリープや癌からの出血を意味します。

                       

便

便

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便秘の対応について

 便秘の対応について 

透析患者さんの便秘で最も多いのが、腸管内で水分が吸収され過ぎるために、少量の硬い「うさぎの糞状」の便になっているタイプです。

これは、透析によって除水されること、アーガメイト(高K治療剤)、

レナジェル、炭カル錠(高リン治療剤)などの便を硬化しやすい薬を飲んでいること、が主な原因と考えられます。この様なタイプの便秘にはソルビトールなどの便を柔らかくする下剤が理にかなっており効果的です。

一度に大量に飲むよりは、少量(56ml/回)を何回かに分けて、結腸

全体の便を軟らかくします。

ソルビトールを基本にし、便秘のひどい時にラキソベロン、プルゼニド、アローゼンなどの腸を刺激する下剤を適宜併用するのが良いと思います。

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~かゆみに困っていませんか~

~かゆみに困っていませんか?~

かゆみは、乾燥肌によるものもありますが、最近、腎不全、糖尿病、癌など、体にとってつらい状況を和らげるために、脳がβ―エンドルフィンというモルヒネ様の快楽物質(かゆみ誘発作用がある)を放出し、これが、かゆみ神経の先の受容体に伝わると、激しいかゆみを脳で感じることがわかってきました。

対策としては、従来より対症療法として

 乾燥肌に保湿剤でスキンケアを。(ケラチナミン、ヒルドイド、ユベラ)

 外用(ウレパール軟膏)ステロイド外用(オイラックスH、リンデロンVG、リンデロンDP、マイザー)

 抗ヒスタミン剤(ゼスラン、アレジオン、アレロック)の内服

 抗アレルギー剤(セルテクト、ザジテン)の内服

があります。しかし、最近では、かゆみが伝わる経路(上述)に作用する薬が発売され、期待されています。それが

 レミッチ(1~2カプセル/日 就寝前服用)の内服です。

透析中の対応として

 透析液温を下げる(体温以下に)

 透析法の工夫(HDFなど)(尿毒症物質対策)

 ダイアライザーの変更(生体適合性)

 強ミノC/ノイロトロピンの静注(回路より)などがあります。

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~ヘリコバクタ・ピロリ菌の除菌について~

ヘリコバクタ・ピロリ菌の除菌について

胃・十二指腸潰瘍の発病原因として、従来、ストレスや非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)関連による胃酸分泌の亢進が原因となっていましたが、最近、ヘリコバクタ・ピロリ菌(胃内に存在する菌)の存在も

大きな要因であると判ってきました。さらに、この菌は胃癌の発病との関連性も指摘されるようになりました。

胃・十二指腸潰瘍(内視鏡あるいは胃透視で確定された)の患者さんで、下記の検査でピロリ菌が陽性と判断されますと、除菌の適応があります。

(患者さんにとって大きなメリットがあります)

ピロリ菌の検出方法 ―当院外来で行います―

尿素ユービット(錠剤)を1錠服用後、20分後に呼気を容器に

採取して調べます。(尿素呼気試験法) ※別紙参照

除菌療法の実際 ―当院で処方します―

          タケプロン(30) 2Cap/分2

ランサップ療法  アモリン(250) 6Cap/分2(抗菌剤)

   (7日間服用)   クラリス(200) 2Tab/分2(抗菌剤)

※副作用として稀に軟便、下痢、味覚異常があります。

初回の除菌率は約80%です。

呼気検査で陰性にならなければ、再度除菌を行います。

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