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あなたの腎臓を守るチェックポイント

~慢性腎不全の増悪因子と合併症~

     

あなたの腎臓を守るチェックポイント 25

                  

                         

傾向と対策(キーワード)

□ 1.脱水(発汗、下痢、嘔吐、利尿剤の過剰)⇒急性尿細管壊死に  :尿量の維持、水分補給、補液、BUN/Crの上昇(10)

□ 2.感染症(風邪は万病の元!上気道炎、肺炎、尿路感染、肝炎)⇒ 脱水、尿細管障害に :早期治療、抗生剤、扁桃腺摘出(活動性腎炎)、補液

□ 3.高血圧(まずは14090以下に)⇒腎硬化症、動脈硬化     :減塩(8g/日以下)、禁煙、降圧剤の工夫、利尿剤で浮腫の軽減

ACE阻害剤、ARBCa拮抗剤+α)

□ 4.高尿酸血症(尿酸7.0以内に)⇒ 痛風腎、尿細管の目づまり(尿細管障害) :高プリン体食品の制限、合成阻害剤、排泄促進剤

                    ネフローゼの再燃             痛風発作(足指の発赤、腫脹、激痛)、妊娠中毒腎の指標

□ 5.高血糖HbA1c6.5に)⇒ 糸球体硬化   :炭水化物・糖質の制限、インスリン、血糖降下剤 ※低血糖にも注意   肥満の解消

        食後血糖<180にコントロール                             

□ 6.高コレステロール血症HDL50目標)⇒糸球体硬化、動脈硬化   :脂肪の制限、運動(散歩、筋トレ)、クレストール、メバロチン、リピトール(内服)

   

□ 7.高窒素血症BUN40となったら要注意)⇒タンパク異化亢進    :タンパク質の制限、クレメジン(活性炭)の内服で便中排泄促す

                                        BUN/Cr>10           (腎機能に見合う摂取量) 0.60.8g/kg/日 消化管出血の可能性

□ 8.高カリウム血症K6.0となったら要注意)⇒足の脱力、除脈に :    緊急透析!   高カリウム食品の制限、カリウム吸着剤の内服

                          心臓麻痺の恐れ             消化管出血によるタンパク異化亢進が隠れていることも。

□ 9.うっ血性心不全・肺水腫(水の大量貯留)⇒息苦しさ、易疲労、起坐呼吸に:   緊急透析!    利尿、βブロッカー(ア-チスト、メインテートなど)

                                        低酸素血症、肺うっ血、胸水         胸X-P、血ガス、BNPh-ANPで確認

□10.貧血(腎性、鉄欠乏性、出血性)⇒易疲労、息切れ、易感染性    :エリスロポエチン、鉄剤の補充、輸血、出血源の確認と対処

□11.代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾く)(CCr40となると発症)⇒易疲労感 :重曹の内服、メイロンの静注、血液ガスで確認

             

□12.低カルシウム・高リン血症(副甲状腺機能亢進症)⇒手足のつり、かゆみ、易骨折     :ビタミンD剤、リン吸着剤、レグパラ(偽カルシウム剤)

                (腎不全早期より発症) 骨粗鬆症、骨軟化症、心筋障害   高リン食品の制限、PTH(副甲状腺ホルモン)を指標に

□13.腎静脈血栓症(腎障害早期より発症)⇒糸球体の血流悪化    :抗血小板剤(コメリアン、パナルジン)で血流改善を

                                     尿FDPの上昇(24時間尿)

□14.消化器の異常(胃酸の分泌亢進、消化能力の低下)⇒食欲低下、味覚障害(亜鉛欠乏)、出血 :便潜血チェック、胃検査、胃薬(ガスモチン、ガスター、オメプラール)

          (尿毒症と関連)          (尿毒症と関連)                 食道炎、胃炎、胃十二指腸潰瘍、悪性腫瘍

□15.低タンパク血症・低栄養(尿毒症と関連)⇒体重の減少、貧血の亢進、易感染性、浮腫 :栄養点滴(アミノ酸)(脂肪乳剤)、電解質の補正、ビタミン剤

                        

□16.出血・凝固系の乱れ(尿毒症と関連)⇒鼻出血、口腔内出血、皮膚の紫斑、消化管出血 :カテーフN内服(ビタミンK)、トロンボテストで確認

                         

□17.元気がなくなる・不眠(活動性低下、根気がなくなる、かゆみ) :安定剤、眠剤の工夫、カウンセリング、精神科医コンサルタント(うつ、不眠)

                          (不眠、アシドーシスと関連)

□18.皮膚のかゆみ(皮膚の乾燥、汗腺の萎縮化、角化)(尿毒症と関連) :保湿剤、かゆみ止め内服、感染予防、ステロイド軟こうでスキンケアを

                  

□19.便秘(消化能力の低下、カリウム制限食の結果)と下痢   :食物繊維の摂取(Kに注意)、運動、下剤の工夫、腸閉塞に注意

糖尿病の自律神経失調症(消化管)、胃アトニー(嘔吐、腹満)

□20.大血管の病気(脳・心・頚動脈・動脈瘤(脳、大動脈))   :脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、高血圧、動脈硬化への対処

血圧のコントロール、塩分・水分の管理 脳CTMRI、心カテーテル、冠CT

□21.閉塞性動脈硬化症 ⇒間欠性跛行・・・歩くと下肢痛      :血糖早期よりコントロール、血流改善(内服、血行再建術)、パルクス()

    (末梢血管の病気) 足の冷感、潰瘍形成                 血管造影、血管エコー検査  ABIの低下(<0.9

□22.不整脈  期外収縮(心房性、心室性)   浮腫⇒心負担(心拡大)(体液過剰)→不整脈が誘発される(頻脈性、徐脈性)

         房室ブロック(心筋伝導障害)  動脈硬化⇒心不全(心筋収縮力の低下)(拡張障害)、心筋症

         上室性頻拍、心房細動      弁膜症の合併 カルシウム、カリウムの変動が原因も、心エコー検査

狭心症:貧血も関与、冠血管造影、冠CT、ホルターECGで精査⇒PCI

□23.眼の病気 ⇒高血圧→眼底出血←動脈硬化    :早期より眼科医によるチェック 眼底、硝子体出血の予防、光凝固療法

 

高血糖→網膜症←尿毒症性                                  眼底造影  低血糖も増悪因子

□24. 薬剤(造影剤、鎮痛剤、漢方など)→間質性腎障害 尿細管壊死(腎毒性) :非乏尿性急性腎不全の経過 尿B2マイクログロブリン、NAG(タンパク)、の増加

                                     薬剤の中止と補液(洗い出し)

25.過労・疲労→高血圧、浮腫、腎血流の低下、易感染性、体力の低下 :腎機能に見合う運動・仕事量の選択、翌日まで疲れを残さない方法

 第2しもざとクリニック  院長 下郷 泉(腎臓内科専門医)

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