~腎炎の臨床像と腎生検による組織像から4群に分類されます~

腎炎の臨床像と腎生検による組織像から4群に分類されます
   (腎生検時の組織所見:臨床像から4群に分類)
      (
組織像のみでは長期予後の正確な予知は困難


A 予後良好群(透析に到る可能性がほとんど無い)
・蛋白尿(十)・血尿(十)  程度(定性)、血圧正常群の場合(持続)
             尿蛋白(<0.3g/日)(持続)

B 予後比較的良好群(透析に到る可能性かなり低い)
・ 蛋白尿(十)~(十十)
・血尿(十)~(十十) 程度(定性)、尿蛋白≪0.5g/日(持続)
血圧も一般には正常(持続)

C 予後比較的不良群(20年以内に透析に移行する可能性あり)
蛋白尿0.8~2.0g/日
・クレアチニン値1.3~1.5mg/dl
・クレアチニンクリアランス(CCr)50-79ml/min/分
・高血圧140-160/90mmHg 以上の持続

D 予後不良群5年以内に透析に移行する可能性がある)

蛋白尿≧2g/日が持続
  ・ クレアチニン値1.6mg/dl以上
  ・ クレアチニンクリアランス.< 50.0ml/日
  ・高血圧160mmH /95以上の持続




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~IgA腎症(例えば)としたら~ 治療戦略

~IgA腎症(例えば)としたら~ 治療戦略

1 生活、仕事、学業、運動も普通で可(但し過激な状況は避けたい)
2 塩分の制限は守りたい(8g/日以内目安)
(蛋白尿<0.2g/日)検尿で経過観察を
3 蛋白尿>0.3g/日 : 抗血小板剤
蛋白尿>0.5g/日
抗血小板剤
(コメリアン(100)3Tab 3×N)(IgA腎症に保適)(ペルサンチンL(150)2cap 2×N)(ステロイド抵抗のネフローゼ)

ACE阻害剤 (レニベース、 エースコール、ロンゲス、タナトリル)

AT1受容体拮抗薬 (プレラン、 ニューロタン、ディオバン、  ブロプレス、ミカルディス)













 腎保護作用  降圧剤
   
 抗凝固薬療法を行う(ワーファリンの服用)       
    

腎機能が正常範囲(CCr>80ml/min)
(クレアチニン 1.3mg/?以下)で
尿蛋白が1-2.0g/日前後の時

上記に加えステロイド療法を施行したい(抗血小板剤の併用)

 治療計画(成人)
プレドニン(5) 6錠/日×8週 その後 減量:2-3錠/日×2~3年間ソルメドロール500-1000μg/日×3日間の点滴(パルス療法):活動性の強い組織病変が存在する場合

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~IgA腎症(腎生検にて診断組織病名)の臨床像~

~IgA腎症(腎生検にて診断組織病名)の臨床像~

日本人に一番多い腎炎です
小児~成人 幅広く発症(発症年齢ピーク 10-20才台)する
70%は、検診などの偶然の機会に蛋白尿/血尿として発見される
10%は、上気道・消化管の感染直後の肉眼的血尿にて発見される
一般的に無症状であるが、一時的に寛解することはあっても
生涯にわたり持続することが多い
高血圧を伴ない、ネフローゼレベル(3.5g/日以上)まで蛋白尿が増加して腎不全に到ることが多い
約1/3~1/2の症例で血清IgAの高値が認められる。(315mg/?以上)腎生検による腎病理組織像(糸球体の観察)が唯一の確定診断。
免疫組織法(蛍光抗体法)でメサンギウム領域主体にIgA沈着を認める。
発症後 10年 : 10%     20年 : 30%が末期腎不全に進行する。
生活、仕事、学業、運動等に注意を要する場合があります。
食事は、食塩の制限(8g/日以内)が最も重要です。
扁桃腺肥大や反復炎症を呈する場合、扁桃摘出術(耳鼻咽喉科)の適応有り。(現在、有効性は検討中)
高血圧症、高脂血症等の合併例や、脱水、上気道炎のくり返しは、腎炎を悪化させます。

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~慢性腎炎症候群(慢性腎臓病)~

~慢性腎炎症候群(慢性腎臓病)~

持続する蛋白尿  を呈し、ゆるやかな経過をたどり腎機能の低下をきたす病態をいいます。
血尿
高血圧症
一次性(進行型)には、
IgA腎症などのメサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症 etc がある

二次性には、
膠原病、糖尿病、慢性関節リウマチ、血管炎 etc がある 
職場検診、学校検尿、外来受診時(他の病気で)
偶然に発見された蛋白尿、血尿
Chanced proteinuria / hematuria
無症候性蛋白尿、血尿と呼びます。(潜在型腎炎)
腎機能が低下すると慢性腎不全から、血液透析に到る可能性が高くなるだけでなく、心臓血管病(狭心症、心筋梗塞、脳血管疾患など)の危険因子でもあるため、腎機能が明らかに低下する前から早期に対策を練る必要がある。

自覚症状は少なく、多くは進行性である。継続して専門医の診療をお受け下さい。

食事療法、ライフスタイルの改善、血圧のコントロール、脂質異常の改善などが大切です。

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尿酸のコントロール、~糖尿病・透析の血糖コントロールの実際~

<尿酸のコントロールについて>

ポイント

① 一般的に UA≧7.0    高尿酸血症という

② 持続すると痛風発作・尿路結石の誘因に。

③ HD者   尿酸の尿への排泄低下によるもの。   高値となることはやむを得ない!

④ 薬の投与(例 アロシトール=合成阻害剤)     一般的にUA≧9.0(目安)      

(副作用出やすい為(発疹、肝障害)

HD者には薬物投与は積極的ではない!

⑤ 痛風の経験者であれば    UA≧10.0メドで投薬する方針

⑥ 他の薬剤の投与が多いこと    優先順位は少し低いので

UA8~10のレベルでは      他の薬の量による。

少なければ投与へ

~糖尿病・透析の血糖コントロールの実際~

 

ポイント

① すでに透析期に到ってきているから、厳格なBScontrolの時期ではないこと。

② 透析期ということは、既に合併症(神経、眼、動脈硬化)が進行しており、厳格なBScontrolが上記症状改善するという実証は無い。

    腎不全であり、必要とされるインスリン量は減り、見かけ上血糖はよくなることが多い

インスリンOFFも可能

    低血糖は高血糖よりも危険である(眼科も低血糖発作の方を恐がっている!)

(非インスリン)   (インスリン使用)

     随時BS     70200       150250

HbA1c      6.5以下       7.5メド

    透析液ブドウ糖濃度= 100/㎗  に設定。

    インスリンは透析されない!

    透析後にインスリン作用が前面に出る    低血糖起こし易い

    高齢者・自律神経機能障害(+)により、低血糖の自覚 伴いにくい!

    インスリン : HD日は非HD日より少なくする。

    いわゆるDM専門医    HD者のBScontrolは困難!

  <透析患者さんは、全ての疾患で『別世界』であることを前提とすること。>

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院長 

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腎臓の機能障害の原因

~腎臓の機能障害の原因~

腎機能に影響するもの

 Ⓐ 糸球体機能 ・・・ 糸球体腎炎・糸球体硬化(動脈硬化)

Ⓑ 尿細管機能 ・・・   薬剤(抗癌剤、鎮痛剤)

放射線療法

脱水

高尿酸血症

尿路感染症(腎盂炎、膀胱炎のくり返しなど)

Ⓒ 血行、走行異常(腎、動、静脈系)(尿路、膀胱系)

 CTで確認を。(腎、尿路系)

 

 急性進行性腎炎症候群 ・・・・ 腎生検で組織診断を。

 慢性糸球体腎炎症候群(IgA腎症・膜性腎症など)の増悪。

 ネフローゼ症候群(膜性増殖性腎炎など)の増悪 ・・・ 腎生検で組織診断を。

 ループス腎炎(全身性エリテマトーデスの腎病変)の増悪。

 糖尿病性腎症の増悪。

 その他(痛風腎、妊娠中毒腎、腎静脈血栓症、肝腎症候群など)

  

   慢性糸球体腎炎を発症したら、完治させることは非常に困難です。

   適切な治療を続けることによって、腎機能を維持し、腎不全へ移行するのを

   くいとめることは可能です。

 

 普段の生活の注意(過労、喫煙、脱水、上気道炎を避ける)

 食事の注意  減塩食(8g/日以内)

         低蛋白食(80g/日以内)

         高カリウム食品を避ける         で腎臓の負担を

         高脂肪食を避ける(動脈硬化の予防)      を減らします。

 

 薬物療法:   病気の種類や進行度に応じてさまざまな治療を行います。

慢性の腎臓病では治療の中心となります。

 

抗血小板剤(コメリアン、パナルジンなど)

ステロイド剤(プレドニン、メドロールなど)

免疫抑制剤(シクロスポリン、プレディニンなど)

降圧剤(ブロプレス、エースコール、アムロジンなど)

利尿剤(ラシックス、ダイアートなど)

抗高脂血症剤(プラビックス、メバロチンなど)

 

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~副甲状腺機能亢進症を有する患者さんへ~

「副甲状腺機能亢進症」を有する患者さんへ

リンとカルシウムは骨の主成分です。ところが透析患者さんでは、血中の

リンは上昇し、カルシウムは逆に低下します。この状態が長く続くと、骨がもろくなって骨の痛みや骨折を起こし易くなったり、心機能の低下にもつながります。これを腎性骨症といいます。

この腎性骨症の一つとして重要な病気に、副甲状腺機能亢進症があります。リンとカルシウムのバランス異常が長く続くと、副甲状腺の働きが強くなって、副甲状線ホルモン(PTH)が異常に高くなります。この病気に対して、従来より活性型ビタミンD(アルファロール、ワークミン)を服用したり、高リン食品を制限したりしてきましたが、実際はなかなかコントロールが

困難でした。平成12年より、上記に対応して新しい薬剤の適応が日本で認められました。それが「オキサロール」です。この薬剤を、透析ごとに静注することによって、過度の副甲状腺ホルモン(PTH)の働きを弱めていきます。

また、最近になり、新しい薬「レグパラ錠」が登場しました。この薬の適応は、オキサロール(静注)を使用してもなかなか高PTH血症が抑制しにくい場合です。副作用に低カルシウム血症がありますので、注意しながら投与します。

それでも薬剤の限界がありますので、高リン食品の制限は引き続き必要なことはいうまでもありません。

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便秘の対応について

 便秘の対応について 

透析患者さんの便秘で最も多いのが、腸管内で水分が吸収され過ぎるために、少量の硬い「うさぎの糞状」の便になっているタイプです。

これは、透析によって除水されること、アーガメイト(高K治療剤)、

レナジェル、炭カル錠(高リン治療剤)などの便を硬化しやすい薬を飲んでいること、が主な原因と考えられます。この様なタイプの便秘にはソルビトールなどの便を柔らかくする下剤が理にかなっており効果的です。

一度に大量に飲むよりは、少量(56ml/回)を何回かに分けて、結腸

全体の便を軟らかくします。

ソルビトールを基本にし、便秘のひどい時にラキソベロン、プルゼニド、アローゼンなどの腸を刺激する下剤を適宜併用するのが良いと思います。

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~かゆみに困っていませんか~

~かゆみに困っていませんか?~

かゆみは、乾燥肌によるものもありますが、最近、腎不全、糖尿病、癌など、体にとってつらい状況を和らげるために、脳がβ―エンドルフィンというモルヒネ様の快楽物質(かゆみ誘発作用がある)を放出し、これが、かゆみ神経の先の受容体に伝わると、激しいかゆみを脳で感じることがわかってきました。

対策としては、従来より対症療法として

 乾燥肌に保湿剤でスキンケアを。(ケラチナミン、ヒルドイド、ユベラ)

 外用(ウレパール軟膏)ステロイド外用(オイラックスH、リンデロンVG、リンデロンDP、マイザー)

 抗ヒスタミン剤(ゼスラン、アレジオン、アレロック)の内服

 抗アレルギー剤(セルテクト、ザジテン)の内服

があります。しかし、最近では、かゆみが伝わる経路(上述)に作用する薬が発売され、期待されています。それが

 レミッチ(1~2カプセル/日 就寝前服用)の内服です。

透析中の対応として

 透析液温を下げる(体温以下に)

 透析法の工夫(HDFなど)(尿毒症物質対策)

 ダイアライザーの変更(生体適合性)

 強ミノC/ノイロトロピンの静注(回路より)などがあります。

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~ヘリコバクタ・ピロリ菌の除菌について~

ヘリコバクタ・ピロリ菌の除菌について

胃・十二指腸潰瘍の発病原因として、従来、ストレスや非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)関連による胃酸分泌の亢進が原因となっていましたが、最近、ヘリコバクタ・ピロリ菌(胃内に存在する菌)の存在も

大きな要因であると判ってきました。さらに、この菌は胃癌の発病との関連性も指摘されるようになりました。

胃・十二指腸潰瘍(内視鏡あるいは胃透視で確定された)の患者さんで、下記の検査でピロリ菌が陽性と判断されますと、除菌の適応があります。

(患者さんにとって大きなメリットがあります)

ピロリ菌の検出方法 ―当院外来で行います―

尿素ユービット(錠剤)を1錠服用後、20分後に呼気を容器に

採取して調べます。(尿素呼気試験法) ※別紙参照

除菌療法の実際 ―当院で処方します―

          タケプロン(30) 2Cap/分2

ランサップ療法  アモリン(250) 6Cap/分2(抗菌剤)

   (7日間服用)   クラリス(200) 2Tab/分2(抗菌剤)

※副作用として稀に軟便、下痢、味覚異常があります。

初回の除菌率は約80%です。

呼気検査で陰性にならなければ、再度除菌を行います。

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